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手術の危機管理

自己血輸血

最近、輸血に関連する副作用(異型輸血や輸血による感染症、移植片対宿主病)がマスコミをにぎわすようになり、輸血に対する関心が高まっています。整形外科手術においても、できるだけ輸血を回避するよう努めています。他人の血液の輸血を回避する手段の一つとして、自分の血液を使用する自己血輸血があります。
必要とされる輸血を自己の血液で賄うため、同種血輸血に伴う感染症・輸血後GVHD・同種免疫に伴うほとんどの副作用を回避できる利点があります。同種血輸血阻止率を高めることは、輸血後の副作用を防止することになり、将来よけいな心配を残すことを阻止します。
ただし、予想外の出血や元来貧血の強い患者さんには以下の方法を用いても同種血輸血を回避できないこともありますし、合併症を避けるために全身状態との兼ね合いで輸血が必要となることもあります。

現在、当院では下記の3方法を使い分けて対応しています。
術前貯血式自己血輸血
術前に予測される必要な輸血量に見合う貯血をするのが原則です。
採血した血液をそのまま保存血として低温(4~6℃)保存する方法です。
ただし、貯血期間が採血後28日までと短く、貯血量に限界があります。健康な成人では800cc程度が普通です。
高齢者やリウマチ患者などでもともと貧血が強い方には術前貯血そのもので貧血を起こさせてしまうので、最適ではありません。また、赤血球の産生を促す成長因子であるエリスロポエチンの併用により貯血後の赤血球を増加させます。
術中回収式自己血輸血
手術中に出血した血液を回収し、洗った赤血球成分を洗浄赤血球として使用します。適応は短時間で500ml以上の出血などが予想される脊椎疾患などがあります。
術後の出血が多い場合には適応になりません。使用する装置には現在Cell Saver-4(Haemoneitcs社商品名)AT-1000(Electoromedicus社商品名)その他があります
術後回収血
手術後に出血の多い手術の際に有効な自己血輸血です。下肢疾患では手術中に血液の流れを部分的に止めて手術できますので、出血の多くは手術後に発生します。
したがって、手術中の回収より手術後に回収して戻す方が賢明です。

手術室のクリーン度評価

手術室には手術を行なう部屋が5部屋あります。
手術室内は普通の病室とは違い特別な空調で空気中の埃や塵の数を減らしています。
当院ではより安全に手術を受けていただくよう年2回手術室の清浄度検査を行っております。
設計清浄度のクラス数字は、小さいほど清浄度が高いことを示しています。

手術室1~3の空調設備(クリーンルーム)

設計清浄度はクラス100です。
クリーンルームとは浮遊粒子濃度が制御されており,室内における微小粒子の流入,生成及び停滞を最小限にするように建設されているお部屋です。
例えば,温度,湿度及び圧力など,より手術室の清浄度を保つ設定になっています。清浄度が高いことから、人工関節置換術や脊椎固定術などの手術を行う部屋として使用しています。

手術室4,5の空調設備

設計清浄度は10000です。
クリーンルームに比べ清浄度は下がりますが、病室などに比べ清浄度は高く、また部屋の圧力なども測定され安全な環境にしています。

手術室の清掃

手術室は手術の前後に看護師による清掃を行なっていますが、それ以外にも室内の埃の数を減らすよう壁や天井などの清掃を定期的に専門業者に依頼しています。
それとともに室内の清浄度が保たれているかの検査も適宜行ない、お部屋の清潔を保っています。

手術室のクリーン度評価

クリーンルームに関する総合評価表(H24年度の報告書より)を作成しています。

手術統計

北海道整形外科記念病院では、年間2,000件以上の手術を行っております。

年度 手術件数
平成10年度 2,444
平成11年度 2,574
平成12年度 2,760
平成13年度 2,729
平成14年度 2,857
平成15年度 2,966
平成16年度 2,922
平成17年度 2,903
平成18年度 2,990
平成19年度 3,069
平成20年度 2,074
(新病院建設の為、件数減)
平成21年度 2,813
(新病院建設の為、件数減)
平成22年度 3,049
平成23年度 3,292
平成24年度 3,354
平成25年度 3286
平成26年度 3352

平成27年度 3322
平成28年度 3202

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