赤血球または赤血球内のヘモグロビン濃度が減少した状態になると、全身の酸素を運ぶ能力が低下し、アスリートのパフォーマンスに大きく影響します。
スポーツ貧血の症状
練習で疲れやすい、動悸・息切れ・立ちくらみをしやすい、記録・パフォーマンスが低下したなどですが、症状は徐々に進行するため貧血と気付かない競技者も多いので注意が必要です。
スポーツ貧血の原因
アスリートのほとんどは鉄欠乏性貧血です。赤血球内のヘモグロビン、そのヘモグロビン成分の1つである鉄が酸素と結合することで、酸素が全身に運搬されます。
その鉄が欠乏することで酸素運搬能力が落ちる貧血が鉄欠乏性貧血です。
運動時の汗に鉄が多く含まれるため、発汗による鉄の消失が主な原因と言われています。
スポーツ貧血の頻度
スポーツとは関係のない一般成人は、男性で数%、女性で10%程度とされています。
しかし、国体からオリンピックレベルの競技者を対象とした調査では、男女とも10~20%以上の頻度との報告があり(調査資料により差はあります)、スポーツアスリート・愛好家の貧血の頻度は、一般人よりも高くなります。
スポーツ貧血の対策
アスリート・スポーツ愛好家の場合、血液検査のヘモグロビン濃度が男性では14.0g/dl以下、女性では12.0g/dl以下で貧血と一般的に診断されますが、個人差・年齢・性別などで異なり、また季節または1日の中でも変動があるため、定期的な血液検査が必要です。
従って、現役スポーツ競技者は2か月おき、市民ランナーなどのスポーツ愛好家は6か月おきに血液検査を受け、自分の検査値を把握することが重要と言われています。